しかし年長の人々は、寄るとさわるとしばしは童子をはばかるかのように声をひそめておもしろげに笑い興じていることが多く、これは何やら世間話のようであったがもれ聞こえても童子にはよくわからなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)131
煙突に玉の湯とあり春一番
「ボクの細道]好きな俳句(1177) 茨木和生さん。「峰雲のかがやき盆は過ぎたれど」(和生) 入道雲はそれほど大きくはありません。それは「盆」という季語から察してわかります。しかし雲のかがやきにはまだ十分な威力が残っています。こうした季節の「すきま」をさがして詠むのは楽しい。