そなたは来たばかりで、まだ、みなの衆に引き合わす暇もなかったのを幸い、これでお茶を飲もう。寺では正時といって朝ご飯を、非時(ひじ)といってお昼の食事があるほかは食べないのだが、そなたはお客でまだ出家ではない。食べてよい。食べなさい。せっかく姉上の志だ、そなたがここに来た祝いにわしもいただくとしよう」
(佐藤春夫『極楽から来た』)116
蠟飴の未ひねりや初天神 未(ひつじ)
「ボクの細道]好きな俳句(1163) 小枝恵美子さん。「蟻を見るみるみる小さくなる大人」(恵美子) 句意は違いますが「渡り鳥みるみるわれの小さくなり」(上田五千石)の俳句を思い出します。夢中で蟻の列を見ているうちに、ガリバーの「小人国」に迷い込んだような錯覚を作者は感じたのでしょうか?