木魚歳時記 第3378話

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 稲岡の地を離れた母子は、居を転じて幾分かは落ちつき気は安らいだものの、悲嘆は容易に消えるべくもなく、それぞれに亡き時国を慕う心を語り交わすことを日々の暮らしにしていた。母は夫時国の忘れ難さをいえば、子は父時国の思い出を語った。
(佐藤春夫『極楽から来た』)83

     大空は君たちのもの燕の子

 「ボクの細道]好きな俳句(1127) 摂津幸彦さん。「新聞紙揉めば鳩出る天王寺」(幸彦) 昔、天王寺界隈(かいわい)は、天王寺はもちろん、美術館、動物園、また法善寺横丁を始め、さまざまなものが集まりにぎわう処です。大阪の「ミナミ」であります。はたして、鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか! それこそ「鳩」が出るか!