木魚歳時記

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木魚歳時記 第3374話

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 しかし夫人秦氏にはよく理解されたものか、夫人は夫の一語々々を一々にうなずき、感銘を受けながらもこういう遺言をする良人を有難く尊く思うにつけてもこの別れが悲しまれた。
 時国はこの遺言をした数時間後の夜半、一門の慟哭(どうこく)のうちに世を去った。俗にいう厄年の四十二歳であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)79

     たんぽぽに埋もれ男の咽仏

 「ボクの細道]好きな俳句(1123) 飯田蛇笏さん。「桑の実に顔染む女童にくからず」(蛇笏) 蛇笏さんの作品は、どちらかというと蛇笏さんの気性(男気)がそのまま伝わるから好きです。それも作者の心象をストレート詠うのでなく、対象を素描するような手法が取られるのでなお読者に感銘を与えるように思います。