木魚歳時記

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木魚歳時記 第3364話

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 小矢というのは十二束に足らぬ短い矢で、それをふさわしい小弓で用いたものであるが、武士の勢力を得ようとする時代の好みに合ったので、上下一般の小児に喜びもてあそばれたのは、堀河天皇の皇長子で、おん父の温厚には似ないきかぬ気の宗仁(むねひと)親王(後の鳥羽院)が幼時のたわむれに滝口のさむらいの額に小矢を射かけたことがあったと伝えられ、またこの時代の鳥羽僧正作の「鳥獣戯画」(ちょうじゅうぎが)にうさぎが小矢を射ている一図があるのでもよくわかる。
(佐藤春夫『極楽から来た』)69

      泡一つ三つ四つ五つ水温む

 「ボクの細道]好きな俳句(1113) 川崎展宏さん。「大和よりヨモツヒラサカスミレサク」(展宏) 展宏さんの代表句です。このブログでも何度かご紹介いたしました。終戦直前に日本近海で撃沈された不沈戦艦「大和」よりの打電手記録(創作)でありましょう。黄泉平坂(よもつひらさか)、すなわち、黄泉(よみ)に向かおうとする「大和」と「菫咲く」の取り合わせに心打たれます。