木魚歳時記

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木魚歳時記 第3361話

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 抜き身をひっさげて立った父のぐるりを鎌や山刀の五、六人が取り囲んだ前にただ一人胴丸をつけたのが刀をふり上げて父に向かっていたのが父の肩越しに真向に見えるのをにらみつけていた童子は、そのにくらしい男の目を物かげから小弓を張り小矢をつがえて射かけた。距離は近かったし、小弓は童子が日ごろなぐさみに練習がつんでいたから、小矢は見事に相手の額に命中しはね返って床の上に落ちた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)66

     陽炎やデゴイチ吠えてめらと燃え

 「ボクの細道]好きな俳句(1110) 川崎展宏さん。「冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ」(展宏) 17文字を舌にころがしてみる。これはよくいわれます。ところで、目で鑑賞する俳句! 上句の「フユ」のことです。そんな鑑賞法が成り立つのかどうか? それはわかりませんが、俳句が文字による文芸であるからには、「音声」と「視覚」はともに重要な要素かと思います。