木魚歳時記 第3359話

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 すわ事と知った時国は、沈着に夫人と子供とを納戸(なんど)へ押しやって人々にこれを守らせ、自身はわずかに三、四人を従えて座敷の寝室に帰って闖入者(ちんにゅうしゃ)を追っ払った。烏合の一団は本当の武者三、四人のために難なく蹴散らされたのである。その時、別働隊がまた入り込んできた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)64

     茂みには鳥の目もあり穴施行

 「ボクの細道]好きな俳句(1108) 川崎展宏さん。「父の箸母の箸芋の煮ころがし」(展宏) これほど日常的なことばを並べて、しかも、凡人なら三段切れとなりそうな材料を並べて、しかも、軽妙な作品に仕上げるのはさすが達人であると舌を巻きます。一流俳人の非凡の技というほかありません。