木魚歳時記 第3358話

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 振り立てるたいまつを見て街道を駆けだした別働隊は山からなだれ入る本隊のときの声を聞いて後、居館の表庭へ踏み込んだ。
 奇襲の驚かされた漆氏では、折からの手薄に防御の方法もなく、乱入にまかし、はじめは物取りの押し込みとばかり思っていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)63

  (平成14年~16年)「足跡(1)」
      老僧のうしろに眼あり雨安居  安居(あんご)

 「ボクの細道]好きな俳句(1107) 川崎展宏さん。「紅葉の真ッ只中の力うどん」(展宏) なんでもないことを、ぬけぬけと詠って臆することがないのが実力者の常です。非凡の輩は、ああでもないこうでもない、と、ことばをひねくりまわし疲れてしまいます。つまり、自分のことばに自信が持てないのです。これは某氏Sの作る俳句のことです(汗)。