木魚歳時記

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魚歳時記 第3333話

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 ところで漆氏がこの稲岡に荘的支配権を持つに至ったのは、この押領使時国から二百年とさかのぼるものではなかった。それでもこの山間の藪沢久米郡の荘園としては草分けの部であったであろう。さればこそ優先的に、これほど有利な地域をも占め得たものである。もし漆氏が頼信から出たものとすれば、稲岡の荘園はその百二十年目の成立であり、頼信の三代目かそれとも四代目ぐらいの孫の代である。
 目ざとくも水源を発見して、その水を利用し得る範囲をよく見て取り、地面と水流とを最も有効に使いこなして経営を誤やまらずに二つの庄を持つゆたかな荘園をはじめた彼はまた地を相して、抜け目なくすばらしい居館をここに設けて置いた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)39

      極月の曼茶羅にある方と円   曼茶羅(まんだら)

 「ボクの細道]好きな俳句(1084) 能村登四郎さん。「鉄筆をしびれて放す冬の暮」(登四郎) モノ書きなら経験があるでしょう。コピー機など家庭に無い時代は、手製のカリ版刷りが唯一の手段でした。鉄筆でヤスリと蝋紙をコリコリと刻み、一段落して鉄筆を投げ出す時、肩の凝りが一気に襲います。