木魚歳時記 第3331話

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 山中によい泉を見出し、その流域を見積って四至(しいし)すなわち開墾予定標を立てて開墾を企てて荘園としてついにめでたい稲岡の地に南北二つの庄の領主となったのは、源氏の分れといわれて津山出身の国内切っての旧家で名族とされる漆(うるま)氏{または漆間(うるま)とも伝える}であった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)37

      大盃の月を飲み干し月に飛ぶ

 「ボクの細道]好きな俳句(1082) 能村登四郎さん。「並木座を出てみる虹のうすれ際」(登四郎) さて、「並木座」とは固有名詞(劇場名)でしょうか? ではないでしょう。並木の茂み(座)から出て、ふと空を見上げると、見事な虹がかかっていた。それも、みるみる消え去ろうとするその瞬間でした。こうした出会いは、心にゆとりがないと見過ごすものです。