木魚歳時記

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木魚歳時記 第3321話

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 ともあれ、この手紙一つあればと思った定明の夢は空しく、彼はいつまでも都の武士にはとり立てられそうにはない。しびれをきらして宗輔から頼長にも頼んでもらったが、それでもらちがあかない。
 定明は額(ひたい)に押されたカインの烙印(らくいん)のため、常にびくびくした暗い性格の男と宗輔の家人仲間からも疎んじられた果ては、自暴自棄の身を都に横行する群盗の中に投じた。純撲(じゅんぼく)な山の若者は立身の道を絶たれて、三年の後、都の悪風に染みたのである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)27

      蜩の畢竟空と澄みわたる   畢竟(ひっきょう)

 「ボクの細道」好きな俳句(1072)  能村登四郎さん。「行く春を死で締めくくる人一人」(敏郎) 「死」詠うのは自由ですが、ここまでシビアに詠われると何にをか云わんや、と、そんな気もいたします。俳句に詠っていけないことはないのでしょうが、凡人が安易に真似るとる失敗します。「暮の秋あと十年は生きてやる」。これが失敗作(駄句)の例です(汗)。