木魚歳時記

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木魚歳時記 第3315話

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「北の庄では今まで通り水をくれている。水の不足は、こちらであまり田を広げすぎたせいだ」
「だからこちらはこちらの池を設けるというのを北の庄では承知しない」
「水上に新池ができれば北の庄の池が困るわ」
「でもこちらの田は高い所だから池は水上でなくては役に立ちません」
「それはそうだ」
と叔父は、これ以上は逆らわず若者の北の庄への反感を危ぶみつつ話題を転じた。
「ともかく兄さんの出かけた日を命日ときめて事をしなければなるまい」
定明もこれには反対しなかった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)21

      弦月や悪魔来たりて笛を吹く

 「ボクの細道]好きな俳句(1066)  能村登四郎さん。「粟の穂や一友富みて遠ざかる」(登四郎) 男女を問わず、貧富の差が生じるといろんなことに波及するものです。「栗の穂」とは栗の花穂を指すのでしょう。だとすると栗の花には独特の匂いがあります。とりわけ男はプライドにこだわりますから・・貧富に格差が生じると仲の良い友人といえども疎くなる? 作品の「粟の穂」が効いて来ます。