「今日のことば」
しかし鍵鼻(かぎはな)は
あっても、内共のような
鼻は見当らない。
内共の心は次第にまた
不快になり、おもわず
ぶらりと下がる鼻の先を
つまんでいた。
(芥川竜之介『鼻』)抄5
「ボクの細道」好きな俳句(1001) 宇多喜代子さん。「わかさぎは生死どちらも胴を曲げ」(喜代子) 釣り上げた魚籠(びく)の中の「わかさぎ」のことでしょう。死んだのも、そうでないのも「ねじれて」魚籠の中に固まる。非情といえば非情。無惨といえば無惨。食物連鎖が自然の掟とはいえ重い事実です。こうして、この世の「真実」を詠むことも俳句の使命なのでしょう。
小春日や喃語のまざる某氏S
喃語(なんご)