木魚歳時記 第3234話

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 「今日のことば」
    銀色の
    蜘蛛の糸が、まるで
    人目にかかるのを
    恐れるように、
    自分の上に垂れて
    くるではございませんか。
     (芥川竜之介『蜘蛛の糸』)抄14

 「ボクの細道」好きな俳句(985) 桂 信子さん。「一本の白毛おそろし冬の鵙」(信子) 作者にかぎらず、気の付かない箇所に「白毛」(しらが)を発見したときの驚きというかショックはあるでしょう。ましてや、それが女性の意外な箇所なら「恐ろし」の表現がわからないでもありません。「冬の鵙(もず)」の季語が効いてきます。

       蛇穴に入らず真っ赤な舌を出す