木魚歳時記 第3200話

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 「今日のことば」
    小十郎はがあんと 頭が鳴って
    まはりいちめんまつ青になった。
    それから遠くでかう云ふことばを
    聞いた。「おゝ小十郎おまへを
    殺すつもりはなかった。」
     (宮沢賢治「なめとこ山の熊」)22

 「ボクの細道」好きな俳句(950)  石田郷子さん。「あたらしき鹿のあしあと花すみれ」(郷子) 鹿に踏まれることもなく菫(すみれ)の花が咲いていた。さて、坊主ハゼという小魚は、頭が丸く腹の鰭(エラ)や唇が吸盤状のため、急流も岩に吸いついて遡上することができます。仏教では、「一期一会」(いちごいちえ)と説きます。坊主ハゼも鯊(ハゼ)の妻とめぐり会い生涯を終えそうです。

       連れ添ひて一期一会や鯊の妻 

                     鯊(はぜ)