「今日のことば」
(小十郎の母は)
何か笑ふか泣くかするやうな
顔つきをした。
子供らはかはるがはる
厩(うまや)の前から顔を出して
「爺ちゃん、早ぐお出や。」
といって笑った。
(宮沢賢治「なめとこ山の熊」)17
「ボクの細道」好きな俳句(945) 石田郷子さん。「木枯の大きな息とすれちがふ」(郷子) 木枯しというと寒々しいものです。それが作品では、何か、大きな守護神と出合ったような感じですから不思議です。仏教では「上求菩提」(じょうぐぼだい)と「下化衆生」(げけしゅじょう)と説きます。自らの悟りを求め、そして、他の者をも悟りに導く、という菩薩(ぼさつ)さまの行為のことです。そうです「木枯の大きな息」が、菩薩(ぼさつ)さまの行為に見えてきます。
リビングにハミングありて秋の空