木魚歳時記 第3196話

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 「今日のことば」
    (小十郎の母は)
    何か笑ふか泣くかするやうな
    顔つきをした。
    子供らはかはるがはる
    厩(うまや)の前から顔を出して
    「爺ちゃん、早ぐお出や。」
    といって笑った。
     (宮沢賢治「なめとこ山の熊」)17

 「ボクの細道」好きな俳句(945) 石田郷子さん。「木枯の大きな息とすれちがふ」(郷子) 木枯しというと寒々しいものです。それが作品では、何か、大きな守護神と出合ったような感じですから不思議です。仏教では「上求菩提」(じょうぐぼだい)と「下化衆生」(げけしゅじょう)と説きます。自らの悟りを求め、そして、他の者をも悟りに導く、という菩薩(ぼさつ)さまの行為のことです。そうです「木枯の大きな息」が、菩薩(ぼさつ)さまの行為に見えてきます。

       リビングにハミングありて秋の空