木魚歳時記 第3195話

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 「今日のことば」
    「婆さま、おれも年老(と)ったでばな、
    今朝まず生れで水(沢)へ入るの嫌(や)
    んだよな気するぢや。」すると小十郎の母は
    その見えないやうな眼をあげて
    ちょっと小十郎を見て
     (宮沢賢治「なめとこ山の熊」)16

 「ボクの細道」好きな俳句(944) 石田郷子さん。「梅干すといふことひとつひとつかな」(郷子) もう幾度も紹介した作品です(だと記憶します)。莚(むしろ)を敷いて、梅の実を天日干しにするために、ひとつひとつ、ていねいに実の向きを並べ変えている婆さまの指先の動きが浮かんできます。しばらくは石田郷子さんの作品をご紹介します。

       かけ声の「ごはんですよ」と秋の昼