木魚歳時記 第3189話

f:id:mokugyo-sin:20170916051333j:plain

 「今日のことば」
    熊は両手をあげて叫んだ
    「おまえは何がほしくておれを
    殺すんだ。」(そこで小十郎は)
    「あゝおれはお前の毛皮と、
    胆(きも)のほかには
    なんにもいらない。」
     (宮沢賢治「なめとこ山の熊」)10

 「ボクの細道」好きな俳句(938) 大木あまりさん。「寝ころべば鳥の腹みえ秋の風」(あまり) めずらしい目線(ローアングル)で、芝生にでも寝転んで、近寄る鳩か雀のお腹を眺めていたのでしょう。それは、あまり美しいものではないとしても、普段、目にすることのないおどろきがあったのかも知れません。季語の「秋風」と調和して、ごく日常的なのどかな雰囲気が伝わってまいります。

       こほろぎの土間のどこかにたしかゐる