「今日のことば」
なまねこ、なまねこ、
あゝありがたい、山猫さま。
私のやうなつまらないものを
耳のことまでご心配くださいますとは
ありがたことでございます。
(宮沢賢治「顔を洗はない狸」)10
「ボクの細道」好きな俳句(918) 藤田湘子さん。「あめんぼと雨とあめんぼと雨と」(湘子) 俳句ではリフレインは多用されますが、成功した例が上掲の作品かと思います。「あめんぼ」も「雨粒」も、つぎからつぎから現れては消え、落ちてはまた落ちてきます。リフレインが「ことば遊び」に終わらないところがいいのです。そうです、俳句は、自然をそのまま観察して17文字となれば最高です。