「今日のことば」
(狐の幻燈会)
ひるはカンカン日のひかり
よるはツンツン月あかり
たとへからだを さかれても
狐の生徒はうそ云ふな。
(宮沢賢治「雪渡り」)13
「ボクの細道」好きな俳句(904) 飯島晴子さん。「夏鶯さうかさうかと聞いて遣る」(晴子) 夏鶯とは「老鶯」(ろうおう)のことです。初鶯(春季)の舌足らずの囀りにくらべると老鶯のそれは実に美事なものです。しかし、世間の男たちは、若い女(こ)をちやほやすることはあっても、年増の円熟味には見向きもしない。そんな老鶯の囀り(嘆き)を「そうかそうか」と聞いてあげる。それは作者自身の呟きでもあるのでしょう。
老いてなほカンナの赤に挑みけり