「今日のことば」
庭のなか(5)
アスパラガス一あたしの小指に訊(き)けば、
なんでもわかるわ。
(ルナール『博物誌』)
「ボクの細道]好きな俳句(843) 井上菜摘子さん。「蜘蛛の囲のうらがはにゐて聞き洩らす」(句集『さくらがい』) 蜘蛛は、蜘蛛の巣の尖端(たいていは葉陰)に潜んで、獲物が掛かると、「囲」の振動を感知して仕留めに繰り出します。それからの騒動(怒号・うめきetc )は、聞き洩らしたというのです。「聞き洩らす」と、核心(騒動の結末)を、はぐらかせて読者の興味をそそるところが秀逸なのです。これは人間社会にもありそうな出来事(比喩)とも受け取れます。
花芯よりこぼれ落ちたる花潜
花潜(はんむぐり)