「今日のことば」
蛍
いったい、何事があるんだろう?
もう夜の九時、それにあそこの家(うち)では、
まだ明かりがついている。
(ルナール『博物誌』)
「ボクの細道]好きな俳句(834) 正木ゆう子さん。「降る雪の無量のひとつひとつ見ゆ」(句集『羽羽』) 句集『羽羽』の巻末を飾る作品です。第3句集『静かな水』(2003年・51歳)が爛熟期の句集とすれば、第4句集『夏至』(2009年・57歳)は成熟期の、第5句集『羽羽』(2016年・64歳)は円熟期の句集ともいえるのでは? とりわけ掲句の「無量」の措辞に至っては、作者の悟りの境地のようなものすら感じられ感動いたします。
老僧のいたく愛でたる白牡丹