怠りなまけている人々のなかで、ひとりつとめはげみ、眠っている人々のなかで、ひとりよく目ざめている思慮ある人は、疾(はや)くはしる馬が、足のろの馬を抜いてかけるようなものである。(ダンマパダ)
「ボクの細道]好きな俳句(821) 正木ゆう子さん。「牛と死の犇めく土中走り梅雨」(句集『羽羽』) 作品に「(口蹄疫)」と添え書きがありました。口蹄疫とは、牛・豚・羊などの有蹄類が罹る急性疾患のことです。さて、「犇めく」(ひしめく)の字には牛が三頭います。ボクは、なんとなく、鶏インフルエンザの処分のことを思い浮かべてしまいました。とりわけ、「牛の死」でなく「牛と死」とした措辞に重いものを感じます。土中に、処置されたすべてのものの「たましい」が犇(ひし)めきうごいている。そこへ「走り梅雨」が地表を洗い流して去る。なんともきびしい現実であります。
「今日のことば」
「これがどん底だ」
など言っていられる間は、
どん底にはなっていないのだ。
(シェクスピア)