木魚歳時記 第2664話

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 (清浄についての八つの詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「かれははからいをなくすことなく、(何ものかを)特に重んずることもなく、『これこそ究極の清らかなことだ』と語ることもない。結ばれた執著(しゅうじゃく)のきずなを去って、世間の何ものついても願望を起すことがない。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(428) 福島 勲さん。「蜆舟夕日の雫したたらす」(勲) 真っ赤な夕焼けの中に、一点、小さな蜆舟(しじみふね)が浮かんで見えます。それがまるで「夕日の雫(しずく)ように見えた」というのです。極大(夕日)から、夕日の雫としての、極小(蜆舟)への自然のドラマティック・エモーショナルを見事に描き切っています。こうした「叙景」「抒情」「詩情」の漂う作品に接すると、ボクが作る散文調の駄句はいかにも薄っぺらで嫌です。嗚呼。

        獐虻の尻入れ替る花芯かな 

                   獐虻(のろあぶ)