木魚歳時記 第2645話

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 (洞窟についての八つ詩句) 師(ブッダ)は修行僧に説かれた「(何ものかを)わがものであると執著(しゅうじゃく)して動揺している人々を見よ。(かれらのありさまは)ひからびた流れの水の少ないところにいる魚のようなものである。これを見て、『わがもの』という思いを離れて行うべきである。諸々の生存に対して執著(しゅうじゃく)することなしに。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(409) 片山由美子さん。「流木の肌つややかに涅槃西風」(由美子) 「涅槃西風」(ねはんにし)とは、お釈迦(しゃか)さまが入滅(にゅうめつ)された陰暦2月15日頃に吹く季節風のことです。涅槃(ねはん)の言葉より、彼岸(西方浄土)より此岸(この世)に向けて吹く風という意味があり、同じころの「涅槃北風」(ねはんきた)と微妙に使い分けるようです。揚句の「肌つややかに」がそのへんのところを巧みに示しています。

        春めくやあの悪魔かほした雲の群