木魚歳時記 第2576話

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 (ナーラカ) 師(ブッダ)はいわれた「聖者は、村に行ったならば、家々を荒ら荒らししく、ガサツに廻ってはならない。話をするな。わざわざ策して食を求めることばを発してはならない。」(スッタニパータ)
 「僕の細道」好きな俳句(342) 加藤楸邨さん。「ふくろふに真紅の手毬つかれをり」(楸邨) 横溝正史の『悪魔の手毬唄』思い出します。実際に「ふくろう」が手毬をつくことはありません。ならば「うくろふ」は、比喩(擬人化)なのでしょうか? ボクは思います。作者にとってはそのようなことはどうでもよい! 暗闇の中で思索に満ちた面(つら)でいる「ふくろう」に真紅の手毬をつかせてみたい。作者の「祈り」ともいえる願望が適えられたときの満足感がひしひしと伝わる作品です。いささか妄想癖の強いボクとしては<うっとり>するくらい好きな作品です。

         闇汁の底になにやら白い物