木魚歳時記 第2555話

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 (ナーラカ)序 相好(そうごう)と呪文(ヴェーダ)に通暁(つうぎょう)しているかれ(アシタ仙人)は、シャカ族の牡牛(のような立派な児)を抱きとって(特相を)検(しら)べたが、心に歓喜して声を挙げた。「これは無上の方です、人間のうちで最上の人です。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(323) 田中裕明さん「悴(かじかむ)はひとりになるといふことか」(裕明) 調べたわけではありません。ですから間違っているかも知れません。作者は45歳で早世された非凡の俳人です。察するに、重篤(じゅうとく)な病を宣告されたとき、ふと、脳裏をよぎるのは、二人でささえあって生きてきた妻(ひとり)を残して逝くことになる。自身もまた、お浄土へ(ひとり)旅をすることになる。そんな思いが重なって「かじかむ」の気持ちとなったのでは? 

        冬鷺のだまつて独り立つてゐる