木魚歳時記 第2476話

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 (ヴァーセッタ) 師(ブッダ)は答えた「手についても、足についても、指につても、爪についても、脛(すね)についても、腿(もも)についても、容色(ようじき)についても、音声(おんじょう)についても、他の生類の中にあるような、生まれにもとづく特徴(の区別)は(人類のうちには)決して存在しない。」(スッタニパータ)

 [ボクの細道]好きな俳句(245) 石田波郷さん。「牛の顔大いなるとき実梅落つ」(波郷) ほんとうに牛の顔は大きい。とりわけ、柵の間から首を突き出した牛の顔を眺めたときにつくづくとそう思います。生まれたときから、大切に育てられた牛たちも、やがて、春から初夏にかけて「糶(せり)」に出されることになるのです。いま、大きな顔をしてのんびりと枯草を食(は)む牛の向うで、梅の実がポツリと音立て落ちました。 

          男ゐて女の来ない星逢ふ夜