木魚歳時記 第2447話

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 (矢) 師(ブッダ)は説かれた「迷妄(めいもう)にとらわれ自己を害(そこな)っている人が、もしも泣き悲しんでなんらかの利を得ることがあるならば、賢者もそうするがよかろう。」(スッタニパータ)

 [ボクの細道]好きな俳句(217) 金子兜太さん。「葭切や屋根に男が立上る」(兜太) 葭切(よしきり)が騒ぐような寒村では、へばりつくように民家が肩をよせあい、あるいは、遠く湖畔を見下ろす位置に点在しているのでしょう。そんな風景が目に浮かんできます。何らかの必要があって、ひとりの男が、屋根の上に仁王立ちしているというのです。兜太さんには他に「暗黒や関東平野に火事一つ」(兜太)もあります。このように、兜太さんの作品は男っぽい作品が多いので好きです。

         月光や警官の手に光るもの