(雪山の神霊がいう)「諸々の欲望をかえりみることなく、あたかも獅子のように象のように独り行くかれ(ゴータマ)に近づいて、われらは尋ねよう。死の縛(いましめ)から解き放たれる道を。」(スッタニパータ)
前項の「かの聖者(ゴータマ)は、羚羊(かもしか)のような脛(すね)があり、痩せ細って、聡明であり」は、後代、仏の「三十二相」として、ブッダ(仏陀)の優れた特徴を示すものの一つにあたります。また「あたかも獅子のように」は、後代、ブッダ(仏陀)の説法される雄姿を称して「獅子吼(ししく)」と喩えられたことにあたるのでありましょう。