「慈しみの経」(1)「究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直(なお)く、正しく、ことばやさしく、柔和(にゅうわ)で、思い上がることのない者であらねばならぬ。」(スッタニパータ)
お経に「和顔愛語」(わげんあいご)、つまり「いつもニコニコ優しい笑顔」の言葉があります。さて「慈(いつく)しみ」とは、後期仏教(「大乗仏教」)で説かれる「慈悲」(じひ)のことです。後期仏教の中核となる「慈悲」の素型が、初期仏教の『スッタニパータ』に示されたことに注目をいたしましょう。
青蚊打つなむあみだぶつなむあみだ