木魚歳時記 第1867話

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 ボサツと鷹

 鷹に追われた鳩がボサツの懐に入りました。やがて鷹が来て鳩をよこせと迫ります。「よこせ、だめだ」の押し問答の末、鳩と等量のボサツの肉を渡すことで話がつきました。ボサツは右の腿(もも)肉を削(そ)いで秤(はかり)に乗せて渡しました。しかし鷹はそれでは足らないといいます。そこで左の腿肉も削(そ)いで渡しました。それでもまだ足らないといいます。つぎつぎと体の肉を削いで、血まみれとなったボサツは、ついに「自身のすべてを捧げよう」と秤(はかり)によじ登ろうとされました。そのとき、鷹に姿を変えていた帝釈天(たいしゃくてん)は、元の姿(仏)に戻られ、そしていわれました「ボサツよあなたこそ仏になりたまう」と。(『比喩経』)           帝釈天=インド古来の神

       漆黒をひたひたと来る寒行僧