木魚歳時記 第1860話

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本願寺

 本願寺(ほんがんじ)は、天平二年(730)行基の開創と伝えられます。建久三年(1192)久美庄の伊賀氏の招きで法然上人が滞在されたとき、一山(いっさん)六坊がみな帰依して浄土宗に改宗したと伝えられています。本堂は、瀟洒な中にも清楚なたたずまいを有し、念仏道場にふさわしい趣を醸しています。恵心作と伝えられる阿弥陀千体仏は、一時、散逸したものを、天正十四年(1586)久美浜城主である松井康之が三五八体を回収し、現在、元の形に近く保存されているようです。他にも重要文化財クラスの寺宝が多く展覧されています。ご利益は延命長寿、厄除け、極楽往生。(熊野郡・久美浜町)  

       僧堂の壁にかたまる冬の蠅