木魚歳時記 第1766話

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 猿寺 

昔、円譽(えんよ)という坊さまがおられた。心のやさしいお方で、猿や狐にナムアミダブツと書いた紙切れを与え手を合わすよう説いておられた。或るとき、猟師(りょうし)が山で猿を射ようとしたところ、猿が紙切れを落とした。猟師が見ると「ナムアミダブツ 正行院円譽(しょうぎょういんえんよ)」と書いてある。驚いた猟師(りょうし)は、猿を逃がしてやり、その足で、円譽(えんよ)さまの弟子となったそうな。この話が伝わり、正行院(しょうぎょういん)は猿寺(さるでら)と呼ばれるようになったそうな。 〈正行院:東洞院塩小路下ル 〉

      背(うしろから五月の風に癒されて