木魚歳時記 第1755話

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 小町寺 

 絶世の美女、小野小町も晩年は悲惨であったとか。洛北の山里で見取る人もなく世を去ったそうな。白骨となった眼窩(がんか)から、ススキが芽をふいていたという伝説まである。後にこの地に建てられたのが補陀落(ふだらく)寺じゃが、人はこの寺を小町寺と呼ぶようになった。数多くの小町伝説が各地に残っているらしいが、小野小町の史実としては不明なことが多いとか?美しい高貴な女性をめぐる秘話が、いつまでも語り継がれていることに、人々の思いが感じられて興味深いことじゃ。〈補陀落寺:左京区静市静原町 〉

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