木魚歳時記 第1748話

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  閻魔さん 

 京都の千本北大路。このあたりは昔から蓮台野(れんだいの)と呼ばれ、平安京の洛中と洛外の境であり、死人(しびと)が捨てられたこともあったそうな。 たくさんの卒塔婆(そとば)が並ぶところから、<千本通り>の名がついたそうじゃ。これを見た小野篁(おののたかむら)が、無縁<ほとけ>をとむらうために「閻魔堂」(えんまどう)を建てたそうじゃ。閻魔さまは、怖い形相(ぎょうそう)をしてござるが、前世・今生・来世の正義を見守る裁判官、つまり、正義の味方であったそうな。 けど、やっぱ、みればみるほど怖い形相をしてござる。 〈引接寺・千本閻魔堂:千本通寺の内上る〉

     春風やぴんと立ちたる馬の耳