木魚歳時記 第1660話

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    老人を閒引けば春の土濡れて  中原道夫

 最近、俳句の技法について考えてみる機会がありました。技法という言葉はあまり好きではありませんが、「深いことを愉快に」(井上ひさし)さんの言葉は納得できます。すなわち、笑い・愉快の底に、アイロニイー(皮肉)、ペーソス(哀感)、エスプリ(機知)、そんな「ひねり」(隠し味)が効いてこそ読者の心をとらえて離さないのでしょう。掲句は、その隠し味が充分に効いた秀作だと思います。

      祭見のギャルも鴉も外人も