老人を閒引けば春の土濡れて 中原道夫
最近、俳句の技法について考えてみる機会がありました。技法という言葉はあまり好きではありませんが、「深いことを愉快に」(井上ひさし)さんの言葉は納得できます。すなわち、笑い・愉快の底に、アイロニイー(皮肉)、ペーソス(哀感)、エスプリ(機知)、そんな「ひねり」(隠し味)が効いてこそ読者の心をとらえて離さないのでしょう。掲句は、その隠し味が充分に効いた秀作だと思います。
老人を閒引けば春の土濡れて 中原道夫
最近、俳句の技法について考えてみる機会がありました。技法という言葉はあまり好きではありませんが、「深いことを愉快に」(井上ひさし)さんの言葉は納得できます。すなわち、笑い・愉快の底に、アイロニイー(皮肉)、ペーソス(哀感)、エスプリ(機知)、そんな「ひねり」(隠し味)が効いてこそ読者の心をとらえて離さないのでしょう。掲句は、その隠し味が充分に効いた秀作だと思います。