木魚歳時記 第1650話

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  チューリップわたしが八十なんて嘘  木田千女

 この作者は大正13年の生まれ。23歳のとき京鹿子(きょうかのこ)に入会。43歳で「天塚」を結成され主宰となられ、54歳で「狩」同人として活躍されてきたようです。他にも{生きている生きているよと法師蝉}{一生の殆ど生きて敬老日}{お閻魔へいまさら許しなど言へず}などなど、実生活を淡々と詠い上げ、なんの力みも衒(てら)いも感じさせないのが魅力です。「ゆかいなことをゆかいに」(井上ひさし)の言葉を地で示されたような作品です。

      花三分四分五分七分倭奴国