木魚歳時記 第1647話

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 やませ来るいたちのやうにしなやかに  佐藤鬼房

 「やませ」は夏の季語です。オホーツク海で発達して三陸沖に至り、東北の内陸部に冷害をもたらすので「餓死風」と呼ばれたようです。山から吹き降ろす「山瀬風」と同義に用いることもあるようですが、季節風として農作物に大打撃を与える「やませ」とは使い分けたいものです。ところで「想定外」の言葉は、震災を機にさかんに用いられましたが、人事においても想定外の事は起るものです。それも「いたち」のようにしなやかに襲いかかります。

     父さんの匂ひがしてる種案山子