木魚歳時記 第1637話

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    裸の子太平洋の縁歩く  山根真矢

 なるほど、渚、海辺、海浜、砂浜、浪打ぎわ・・などなど海辺の砂浜を示す「ことば」は他にもたくさんあることでしょう。しかしそれを「太平洋の縁(ふち)」と表現したのを拝見したのは寡聞にしてこれがはじめてです。一瞬、ああ「やられた」と思いました。発想の転換、視点の転換、目から鱗が落ちるとはこのことを指すのでしょうか。それと「裸の子」が付かず離れず見事に響きあって、スケールの大きい情景が目に浮かぶようです。理屈なしにお見事です。

     なむなむと来てなむなむと彼岸婆