木魚歳時記 第1624話

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     蝶墜ちて大音響の結氷期   富澤赤黄男

 他に{くらやみへ くらやみへ 卵ころがりぬ}{蛾の青さ わたしは睡らねばならぬ}{賑やかな骨牌の裏面のさみしい絵}などの作品があります。この<一字空け>の手法は、ときおり見かけますが、やはりこれも少数派のようです。詩や歌詞などは<一字空け>は常套です。俳句は、短詩形でしかもリズム(韻律)を大事にしますから主流とはなれない?掲句も大袈裟なようですが幻想的でぼくの好きな作品です。

     三尸なほ天を窺ふ初庚申   三尸(さんし)