木魚歳時記 第1476話

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あの声で蜥蜴(とかげ)喰らふか時鳥(ほととぎす)

 江戸時代の俳人である榎本其角(えのもときかく)の俳句です。美しい声で啼く時鳥(ほととぎす)が蜥蜴(とかげ)をついばむとは・・しかし、それは人間さまの勝手な思い過ごしでありましょう。小鳥が虫や小動物をついばむのは、生きるための術(すべ)であります。自然界の掟(おきて)なのです。表記の俳句は、こうした物事の外見と内実の相違を突いた風刺的作品といえます。さて「俳句は発火点的描写でなければならない」。とありました。

       終章は耳やはらかき恋の猫