木魚歳時記 第1350話

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子盗る

「こーとろ 子とろ どの子がほしい これか これか それや」

 童謡には「怖い」歌もたくさんあります。前述の「花いちもんめ」も、子取(盗)り歌でありました。この「子盗り歌」にしても、シリアスに考える必要はまったくありません。しかし、ぼくが子どもころは、子盗りがいると本気で信じていました。母親はそれを利用していつもぼくを脅していました。さて、俳句表現において大切なことは、読者と作者の心の響きあいです。作者は自分の感動をできるだけ素直に読者に伝えること。読者はその作品から作者の意図を肯定的に受け入れることが大切です。

      春灯に髪引く影や羅生門