木魚歳時記 第1270話

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顔見世

 京都では「南座」(みなみざ)の顔見世(かおみせ)興行が年末の風物詩となっています。顔見世(かおみせ)興行が年末に行われるのは、江戸時代より興行主が役者の契約を一年間とし、その契約を陰暦の十月に更新し、その役者の顔ぶれを披露するための興行を陰暦の十一月に行ったのが始まりです。最初、この顔見世興行は、京都にかぎったことではなかったのですが、こうした習慣は幕末の頃になると崩れ、京都の南座興行だけが残ったようです。ちなみに「顔見世」は俳句の世界では季語となりますが、顔見世に欠かせない勘亭流(かんていりゅう)で書かれた「まねき」は季語とはならないようです。

    しぐるるや嫁小姑も女偏