木魚歳時記 第1263話

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日想観

 日想観(にっそうかん)とは、太陽が西の空に没していくさまを観察し、もって「極楽浄土」(ごくらくじょうど)が西方(さいほう)にあることを思い定める修行方法のことです。浄土宗を開かれた法然上人(ほうねんしょうにん)は、43歳の時に比叡山(天台宗)を下山され、東山山麓(現天王町)の黒谷のあらりを遊行をされるうち、この「日想観」(にっそうかん)に至られて、庶民仏教である念仏の教えに至られたと伝えられます。この跡地(左京区天王町)に、浄土宗大本山・黒谷金戒光明寺(くろだにこんかいこうみょうじ)が建てられました。西に向かい京都市外を一望できる東山山麓に浄土系有名寺院がつらなる理由の一つがここにあります。

     うそ寒や夜半に伸びる髪の音