木魚歳時記 第1261話

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小野篁

 小野篁(おののたかむら)といえば、平安の三筆と称された小野道風(おののとうふう)を祖父に、学者として知られた小野岑守(おののみねもり)を父に、篁(たかむら)自身も学才に長けた人物であったようです。しかし、「昼間は朝廷に勤める参議、夜は閻魔庁の高官として閻魔大王(えんまだいおう)に仕えていたなどなど・・」とかくミステリアスな伝説につつまれることも多かったようです。その篁(たかむら)が、あの世への通い道とした古井戸が東山六道(「死の六道」)の珍皇寺(ちんこうじ)に残ります。そして、あの世からの戻り口が、嵯峨六道(「生の六道」)の辻の福生寺の古井戸であったと伝えられます。なお、福生寺は現存しませんが、その遺跡は嵯峨釈迦堂の境内の薬師寺に移され残っているそうです。

     しぐるゝや紅白粉の泣きにくる