木魚歳時記 第1257話

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妙・法

 市営地下鉄「松ヵ崎」駅の北方の山麓に大黒天をお祀りすることで有名な日蓮宗の湧泉寺(ゆうせんじ)があります。この松ヶ崎の一帯は、愛宕群(おたぎぐん)栗栖郷(くるすごう)松ヶ崎村と称した頃より、歴史的に由緒のあるところであります。とりわけ、京都に法華宗(ほっけしゅう)を弘めた日像上人(にちぞうしょうにん)ゆかりの土地であります。法華宗(ほっけしゅう)はいうまでもなく、お題目「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)をと唱えます。したがって湧泉寺(ゆうせんじ)が比叡山の麓に位置するところから、延暦寺(天台宗)との軋轢(あつれき)が旧松ヶ崎村の歴史であったともいえます。いずれにしても、熱烈な法華経信者の奉仕により、この山麓に「妙・法」の大文字が維持されてきたのであります。

     草もみぢ傍でのたくる臥牛垣