木魚歳時記 第1246話

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疎水

 皇居が東京に移り、日本の首都が東京と定まって、京都は火の消えたもぬけの殻となりました。そこで、京都府知事(第3代)に就任した北垣国道は、東京工専(東大の前身)を卒業したばかりの田辺朔朗に命じて「琵琶湖疎水」(びわこそすい)の建設に着手したのです。琵琶湖疎水は、①利水(飲用・工業用水・灌漑)、②発電、③水運(水路輸送)を主な目的として進められ、明治23年(1890)に第一疎水(そすい)は竣工しました。さらに、翌年の蹴上(けあげ)発電所の運転開始、インクライン(広軌傾斜鉄道)の完成を迎えます。こうしたオール京都のテネルギーの結集が、その後の京都の近代化に果たした役割は計り知れないものがあります。

     くはがたの僧形をして坐りけり