木魚歳時記 第1241話

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左京右京

 地図を見る場合は、上辺が北を指し、したがって時計回りに東(右)、南(下辺)、西(左)と見るのが普通です。これは、磁石が北を指すという自然の法則に従う世界共通の見方かと思います。ところで、平安京は、中央の朱雀大路の右(東)が左京、その反対の左(西)が右京となります。その理由は「天子南面す」という中国の故事によります。したがって、大内裏(だいだいり)は洛中の最北部に南面して建てられました。そうすると、天皇を中心に左側が東(日登るところ)、右側が西(日没するところ)となります。この故事により、平安時代は、左大臣(上位)、右大臣(次位)、左近(さこん)の桜、右近(うこん)の橘(たちばな)の配置、左京(東)、右京)西という、地図とは反対の配置となったのです。

    待合に草の匂ひや夕立来て