愛宕山
京都の町は、どこからでも山が見えます。東山・北山・西山の峰々の中でも、平安京の艮(うしとら)の方角にある比叡山と、乾(いぬい)の方角にある愛宕山(あたごやま)は、とりわけ注目され、親しまれて来ました。それは、比叡山には、平安京の鬼門を守る延暦寺(えんりゃくじ)が、愛宕山には、平安京を火災から守る愛宕神社があるからです。
さて、愛宕(アタゴ・オタギ)の「タゴ」「タギ」は、山道が狭く凸凹していることを示す形容詞とされます。「ア」「オ」は、「逢ふ」から出たことばです。ですから、愛宕(あたご)とは、けわしい山路と出逢う、の意味となるのです。